致死猛毒パリトキシン、マウイ島に眠る古代の呪いと戦慄の真相の要点や背景を丁寧にまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

ハワイ・マウイ島の東端に位置するハナ地区。この地には古くから「リム・マケ・オ・ハナ(ハナの死の海藻)」と呼ばれる禁断の潮だまりが存在した。神話によれば、サメの顎を背中に持つ邪悪な男が村人に殺害され、遺骨を焼いた灰が海に撒かれた場所から、触れるものすべてを殺害する毒草が生え出たという。先住ハワイアンたちはその抽出液を槍の穂先に塗り、一撃必殺の武器として恐れ崇めていた。

この伝説を単なる迷信として片付けなかったのが、ハワイ大学の化学者ポール・J・シェウアー教授だ。1961年、彼は現地ガイドの案内で立ち入り禁止とされていた潮だまりへと分け入り、幻の海洋生物を採取することに成功した。持ち帰られたサンプルは植物ではなく新種のイソギンチャク類であり、そこから抽出された化合物の構造解明には実に20年以上の歳月を要することになる。古代の呪術が近代化学と交差した瞬間、比類なきサイエンス・ミステリーの幕が切って落とされた。