ポスターに赤字で大きく記載される「懸賞金」は、正式には警察庁の捜査特別報奨金と呼ばれます。これは2007年に導入された公的制度で、警察庁が指定した重要事件の検挙に直結する有力情報を提供した者に対し、国費から報奨金が支払われます。
原則的な上限額は1口300万円と定められていますが、社会的反響が大きい凶悪事件や治安維持上極めて重大な事件については、警察庁長官の判断で最大1,000万円まで引き上げられます。さらに、被害者遺族会や有志の団体が拠出する「私設懸賞金」が上乗せされるケースも多く、過去には合計2,000万円近くに達した例も存在します。
現在設定されている主な指名手配の懸賞金ランキング上位には、次のような未解決事件および重要被疑者が並んでいます。
【主な指名手配事件・被疑者の懸賞金水準】
・世田谷一家殺害事件(特別報奨金+私設懸賞金):最大2,000万円
・八王子スーパー強盗殺人事件(特別報奨金+私設懸賞金):最大600万円
・別府市大学生死亡ひき逃げ事件(八田與一被疑者・特別報奨金+私設):最大800万円
ただし、こうした公募懸賞金の支払い条件は極めて厳格に規定されています。犯人の逮捕や事件の解決に直接貢献した情報提供者のみが対象となり、警察関係者や犯行の共犯者、違法な手段で情報を得た者には一切支払われません。また、複数の市民から同一の情報が寄せられた場合は、貢献度に応じて按分(分割)して支払われる仕組みです。