指輪のサイズを正確に測定する上で、道具選びと同じくらい決定的な要素となるのが「測定する時間帯」です。人間の体は、重力、血流、塩分摂取、ホルモンバランスなどの影響により、1日の中で劇的に水分量が変動しています。この生理現象は指先にも顕著に現れ、一般的な成人でも朝と夕方で0.5号〜最大1号程度(内周で約1〜1.5mm)のサイズ変動が日常的に発生しています。
「朝起きた直後は指がパンパンに張って指輪が入らない」という人もいれば、「夕方になると立ち仕事やデスクワークの疲労から指先がむくんで抜けなくなる」という人もいます。一般的には、就寝中に身体の水分が均等に行き渡るため朝方にむくみを感じるタイプと、日中の疲労や塩分・アルコールによって夕方17時〜20時頃に鬱血してむくむタイプの2パターンに分かれます。
したがって、測定を行うベストなタイミングは、体液循環が最も安定している「午前10時から夕方16時前後の日中」です。朝起きてすぐの起床時、過度の空腹時、入浴直後、飲酒後、激しい運動直後は指が異常に膨張または収縮しているため、測定を絶対に避けなければなりません。理想的には、異なる日の「昼休み」と「夕方」の2回計測し、その平均値や着用感の差を確認することが失敗を防ぐ防壁となります。
また、見落とされがちなのが「季節による外気温の影響」です。寒冷な冬場は血管が収縮して指が細くなり、汗をかきやすく血流が増加する夏場は指が太くなる傾向があります。冬場にギリギリのジャストサイズで購入した指輪が、夏場には鬱血して外せなくなるというトラブルは、宝飾店のリサイズ窓口に持ち込まれる相談の典型例です。