柑橘を使ったレシピは、各国のバー組織でも極めて重要な位置を占める。国際バーテンダー協会の公式レシピブックを開けば、時代を超えて愛される銘醸カクテルがずらりと並ぶ。その筆頭が、イタリア生まれのスタイリッシュなロングカクテルであるスプモーニだ。カンパリのビターな赤とグレープフルーツの淡い酸味、トニックウォーターの炭酸が織りなす三位一体のバランスは、アペリティーボ(食前酒)文化の至宝と呼ぶにふさわしい。
さらに、ウォッカとクランベリーにグレープフルーツを合わせたアメリカ西海岸発祥のシーブリーズ (カクテル)や、テキーラをベースにグレープフルーツソーダで爽快に仕上げるメキシコ国民酒パロマ (カクテル)も、近年のアガベスピリッツ人気とともに爆発的な再評価を受けている。いずれも、酸味と苦味の絶妙な掛け合わせが飲み手を飽きさせない設計になっている。