福岡が「コーヒーの聖地」と称される最大の理由は、世界最高峰の技を持つトップランナーたちの存在だ。2014年のワールド バリスタ チャンピオンシップでアジア人初の世界王者となった井崎英典氏や、ジャパン バリスタ チャンピオンシップで連覇を達成した岩瀬由和氏など、世界的レジェンドたちがこの街のクオリティスタンダードを引き上げた。
なかでも岩瀬氏が共同創業したREC COFFEEは、移動販売車からスタートして今や世界へと羽ばたく象徴的存在だ。豆の選定から抽出プロセスに至るまで一切の妥協を許さない姿勢は、福岡のスペシャリティコーヒー産業全体の礎を築いたと言っても過言ではない。カウンター越しに繰り広げられるバリスタの手さばきは、ただの作業ではなく一種の芸術だ。産地のテロワールを鮮やかに引き出す浅煎りから深煎りの妙技まで、彼らが注ぐカップ一杯には膨大な知見と情熱が凝縮されている。