志村の隣でツッコミを担当した坂上忍は、当時からその卓越した演技力と鋭い勘で知られていた。子役時代から培われた確固たる演技のリアリティがあったからこそ、志村の非常識なキャラクターが圧倒的なコントラストを持って際立った。単なるバラエティの掛け合いではなく、本格的な会話劇としての強度がそこにあった。
かつてコント55号としてお茶の間を熱狂させた坂上二郎のリズム感や舞台度胸を引き合いに出すまでもなく、志村の笑いを受け止める相手には並外れた力量が求められた。狂気を浴びせられた人間がどう戸惑い、どう憤るか。坂上が見せた生々しい人間のリアクションこそが、この名作を不朽のものにした隠れた主役と言える。