このスラング的変化は、コンテンツの受容様式とも深く結びついている。Webメディア・エンターテインメント業界が発信する多様なコンテンツにおいて、ダークヒーローやアンチヒーローの存在感が増したことが大きな背景だ。
例えば、映画『ジョーカー』で描かれた無秩序で歪んだ街並みや、主人公の破滅的な魅力は、世界中の観客に強烈なインパクトを与えた。また、Netflixなどの動画配信プラットフォームで世界的にヒットするクライムドラマやアングラ要素の強い作品群も同様だ。悪や危うさを内包したビジュアルや世界観は、若者たちにとって単なる「危険」ではなく「エッジの効いたスタイリッシュさ」として再解釈される。創作物やエンタメにおけるダークな美学が、日常言語のスラング化を後押ししたと言える。