長年にわたり議論が続いてきた戸籍法改正(氏名の振り仮名法制化)が施行段階へと移行したことで、命名をめぐるルールは決定的な変化を遂げた。これまで戸籍上の漢字には読み方の法的な規定が存在せず、極端な当て字であっても受理されてきた経緯がある。しかし、行政手続きのデジタル化推進と本人確認の正確性を担保するため、法務省はついに明確な線引きを行った。
新基準では「漢字の持つ意味や音訓と関連性があること」や「社会通念上、著しく不相当ではないこと」が求められる。戸籍法・法曹界からも、過度な難読名や公序良俗に反する命名に対して一定の歯止めがかかることを評価する声が上がる一方、どこまでが個性の許容範囲なのかという解釈を巡って窓口での模索が続く。親が「世界に一つだけの響き」を求めたとしても、社会通念という見えない壁を無視することはできなくなったのだ。