地方が生き残るための鍵は何か。それは一時的な観光客ではなく、地域と継続的に関わる「関係人口」の創出だ。徳島県が仕掛けた新しいアプローチは、SNSを通じた派手な宣伝ではない。むしろ逆だ。地元の高齢者たちが、訪れる人々を「家族」のように迎え入れる泥臭いコミュニケーションが功を奏している。
実際に現地を訪れたIT企業勤務の30代男性は語る。「最初は数日間のワーケーションのつもりだった。しかし、近所のおばちゃんが『これ食べな』と持ってくる野菜の味と、何気ない会話に救われた。気づけば月に一度はここに来る生活が始まっていた」。デジタルで繋がることが当たり前の時代だからこそ、こうした生身の人間関係が圧倒的な価値を持つ。