相撲界に走った激震のなかでも、宮城野部屋の閉鎖に伴う伊勢ヶ濱部屋への合流受け入れは、角界の勢力図を根底から塗り替える出来事だった。師匠としての重責を担う伊勢ヶ濱親方(旭富士正也)のもとへ、元横綱・白鵬が率いていた弟子たちが預かりという形で合流。土俵上には数十人もの関取・幕下勢がひしめき合い、稽古場は日常的に本場所さながらの熱気と緊張感に包まれることとなった。
この大所帯を束ねる統率力は、並大抵のものではない。部屋の規律を乱すことなく、確固たる相撲道を叩き込む指導力は他門の親方衆からも一目置かれている。しかし、この巨大化の裏で関係者の最大の関心事となっているのが「後継問題」だ。定年を迎える師匠の座を誰が引き継ぐのか。最有力候補として衆目が一致するのは、不屈の闘志で横綱に登り詰めた照ノ富士春雄である。名門の看板、そして預かり弟子たちの処遇をどう整理し次代へバトンを渡すのか、水面下での調整は極めて重要な局面を迎えている。