サンリオのキャラクターたちが単なる「消費財」に終わらず、息の長い文化として根付いた最大の要因は、ファンとの対話姿勢にある。1975年に創刊された『いちご新聞』は、創業者の辻信太郎氏が提唱した「世界の平和と友情」をメッセージとして届けるとともに、ファンの投稿やイラストを積極的に掲載する読者参加型メディアとして機能した。
この『いちご新聞』の紙上企画から1986年に生まれたのが、今や一大イベントとなった『サンリオキャラクター大賞』だ。ファンが自分の好きなキャラクターに1票を投じる仕組みは、現代の推し活の原形とも言える。自分が投票した昔のキャラクターが上位に入ったときの喜び、あるいは落選したときの悔しさ。ファンが当事者としてコミットする体験こそが、数十年間にわたりキャラクターへの愛着を維持し続ける強力なエンジンとなっている。