彼らの原点は、端役や斬られ役として日銭を稼いでいた大部屋俳優たちの「もっと目立ちたい」「這い上がりたい」という泥臭い執念にあった。高倉健や菅原文太といったスターの背後で、ただ殺されるだけの存在だった男たち。彼らが酒場に集い、自嘲気味に「俺たちは水槽の端でギラギラしているピラニアみたいなもんだ」と語り合ったことから、その名がつけられたという。
撮影現場での彼らのアピール合戦は凄惨を極めた。カメラが回れば、少しでも長く画面に映るために、あえてオーバーにのたうち回り、凄まじい死に様を演出した。主役に切り捨てられる一瞬のカットに命を賭けるその姿は、監督たちの目にも留まり、やがてただの背景から作品に欠かせないスパイスへと昇華していったのだ。