長岳寺の年中行事の中で、全国から最も熱い注目を集めるのが、毎年秋(例年10月23日〜11月30日)に本堂で行われる「大地獄絵開帳(極楽地獄変相図)」です。
この地獄絵は、江戸時代初期に狩野山楽によって描かれたとされる全9幅の大作であり、極楽浄土の光景から八熱地獄・八寒地獄の凄惨な責め苦に至るまでが緻密に描写されています。しかし、長岳寺の地獄絵が特別なのは、絵そのものの迫力だけではありません。
期間中に本堂で行われる住職による「絵解き(えとき)説法」こそが、参拝者の心を掴んで離さない最大の要因です。住職が手作りの指し棒を手に、恐ろしい地獄の責め苦や因果応報の教えを、現代社会の世相やユーモアを巧みに交えながら解き明かします。死生観を重苦しく説くのではなく、「今をどう正しく、温かく生きるか」という本質的な生き方の知恵へと昇華させる語り口は圧巻で、涙を流しながら聞き入る参拝者も少なくありません。