12月18日、世界は一変していた。いつも通り登校したキョンを待ち受けていたのは、涼宮ハルヒの存在そのものが消去された違和感に満ちた日常だ。非日常の渦中にいたSOS団の仲間たちは姿を消し、代わりにそこにいたのは、内気で普通の少女となった長門有希だった。
感情を持たないはずの情報統合思念体対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。彼女がなぜ自らの意思で世界を改変したのか。その真意は、日々の過酷な観測タスクと、SOS団での騒々しくも愛おしい時間の中で密かに積み重なった「エラー」——すなわち、芽生えつつあった切ない人間的情動にあった。彼女はただ、一人の少女として「普通の日常」を欲したのだ。