まず基本となる言葉の定義から整理しましょう。桟橋の読み方は「さんばし」。英語では用途や規模に応じて「Pier(ピア)」や「Jetty(ジェティ)」、「Landing stage」などと表記されます。
漢字の「桟(さん)」には「木を渡して作ったかけはし・棚」という意味があり、古くは険しい崖や水上に丸太を架け渡した通路を「桟道(さんどう)」や「桟橋」と呼んでいました。現代の港湾工学における桟橋とは、「陸域から水域に向かって杭や橋脚を打ち込み、その上に床版(デッキ)を設けて船を係留・荷役・乗降させる施設」を指します。
桟橋が果たす最大の役割は、水深が浅い海岸線であっても、船底を擦らない十分な深さがある沖合までアクセスルートを伸ばし、安全に船舶を接岸させることです。下部が柱(杭)で支えられているため、海水の流れを完全に遮らないという環境面・水理面の大きなメリットを持っています。