ピンチの場面で率先して矢面に立つのが本来の管理職の責務ですが、現実には他人のせいにする上司が後を絶ちません。なぜ彼らは平然と部下に泥をかぶせることができるのでしょうか。その根底には、マネジメント能力の欠如だけでなく、特有の歪んだ心理傾向が存在します。
責任転嫁する上司の心理を分析すると、最も顕著なのは「強烈な自己愛とプライドの高さ」です。自分の非や失敗を認めると「優秀な自分」という自己イメージが崩壊してしまうため、自己防衛本能として脳が瞬時にエラーを外部要因にすり替えます。「自分は指示したはずだ」「部下の理解力が足りなかった」と事実を頭の中で改ざんし、本気で自分が被害者だと思い込むケースすら珍しくありません。
さらに、社内評価や降格に対する病的な怯えも背景にあります。減点主義が色濃く残る組織であるほど、「失敗歴=出世競争からの脱落」と直結するため、部下のキャリアを犠牲にしてでも自分のポジションを守ろうとする保身の力学が強く働きます。