内分泌代謝や生活習慣病、予防医学の分野で豊富な臨床経験を持つ岡部正医師は、粘膜の健康維持における栄養素の重要性を強調する。岡部医師によれば、口内炎の治療において表面的な塗り薬やステロイド軟膏の塗布は「火災報知器の音を止めるような一時しのぎ」に過ぎないという。
口腔外科学の領域においても、口腔内の粘膜潰瘍が長引く患者に対して鉄代謝の確認が行われるケースが増えている。粘膜の基底層で活発に行われる細胞分裂を正常に稼働させるためには、血液を介して十分な鉄分と酸素が供給されることが前提条件となるからだ。
岡部正医師は、身体の内側からの環境整備、すなわち鉄分をはじめとする必須栄養素の充足こそが、粘膜バリアを本質的に再生させ、感染や刺激に対する耐性を高める唯一の道筋であると指摘している。