『紺碧の空』が時を経ても色褪せない理由は、古関のメロディだけでなく、住治男による格調高い歌詞の文学的完成度にあります。
1番の冒頭「紺碧の空 仰ぐ日輪 光輝あみて 雲雀啼く」は、初夏の神宮球場に照りつける陽光と、空高く囀るひばりの姿を鮮やかに描写しています。当時の一般的な応援歌が好んだ勇ましさ一辺倒の軍歌調とは一線を画し、自然の雄大さと若者の清冽な生命力を対比させています。
続く「一球撃ちて 雲を呼び 一球蹴りて 風を起こす」では、野球のみならずラグビーやサッカーなどあらゆる球技を連想させる動的なメタファーが用いられ、グラウンドに立つ選手とスタンドの応援席が一体化するエネルギーを表現。そして結びの「覇者 覇者 早稲田」のリフレインによって、誇りと自信を極限まで高める構造になっています。
勝敗の執着を超え、学徒としての気品と青春の情熱を昇華させたこの歌詞構造こそが、早大生のみならず多くのスポーツファンの心を掴んで離さない本質です。