彼の名が一躍映画界に轟いたのは、1995年公開の石井隆監督作品『GONIN』だ。バブル崩壊後の混沌とした東京を舞台に、社会から弾き出された男たちの暴走を描いたバイオレンスアクション。椎名は、本木雅弘演じる主人公の相棒であり、彼に狂信的な愛を寄せるヒットマン・ジミーを演じた。
あの役は衝撃的だった。全身から漂うデカダンな雰囲気。冷徹な殺し屋でありながら、時折見せる痛々しいほどの純粋さ。スクリーンに映る彼の瞳は、観客の心を射抜いた。この作品で彼はキネマ旬報新人男優賞などを受賞し、一躍「一筋縄ではいかない実力派」としての地位を確立する。甘いマスクの裏にある狂気。それこそが彼の最大の武器だった。