「雑色」の読み方は「ぞうしき」である。初見で正しく読める人は決して多くない。漢字自体は小中学校で習う馴染み深いものだが、この二字が組み合わさることで突如として難読化する。
地理的には東京都大田区の南部に位置し、多摩川にも近い下町エリアだ。京浜急行電鉄の京急本線が乗り入れる雑色駅は、日々多くの通勤・通学客で賑わっている。駅前に広がる雑色商店街は都内屈指の規模を誇り、惣菜屋や専門店の威勢の良い声が飛び交う。現代の活気あふれる街並みからは一見想像がつかないが、この不思議な響きを持つ地名には、はるか昔の朝廷政治が色濃く影を落としている。