日本郵便が展開する「ゆうメール」は、もともと「冊子小包郵便物」として親しまれていた仕組みを前身とするサービスです。最大の目的は、印刷物や記録媒体を安価かつ簡便に国民へ届けることにあります。そのため、何でも自由に詰め込んで送れる一般の小包や普通郵便とは根底から設計思想が異なっています。
まず押さえるべきは、利用可能な物品が法的に限定されている点です。公式規定において認められているゆうメールで送れるものは、以下の2つのカテゴリに限られます。
① 冊子とした印刷物
書籍、雑誌、カタログ、パンフレット、社報、同人誌、楽譜、ノート、スケジュール帳(カレンダー含む)など、製本・綴じ込みがなされている紙媒体です。複数枚のチラシを束ねただけのものであっても、ホチキス等で留められていれば冊子とみなされます。
② 電磁的記録媒体
音楽CD、映画DVD、Blu-rayディスク、PC用ソフトウェア、ゲームソフトのROM、USBメモリ、SDカード、カセットテープ、ビデオテープなどです。
これらに対し、送ることができない物品の代表格が「衣類」「コスメ・化粧品」「文房具(単体)」「アクリルスタンド・フィギュアなどの雑貨」「食品」です。どれほど小さく軽量であっても、冊子でも電磁的記録媒体でもない雑貨類は、ゆうメールの引き受け対象外となります。
そして最も現場でトラブルになりやすいのが「ゆうメールにおける信書不可の理由」です。郵便法第4条の規定により、民間配送や特別運賃小包において「信書(特定の受取人に対し意思を表示し又は事実を通知する文書)」を送達することは厳しく禁じられています。手紙、封書、請求書、領収書、契約書、結婚式の招待状、手書きのメッセージカードなどはすべて信書に該当します。
本をプレゼントする際に「お誕生日おめでとう」と書いた一筆箋を添えたり、オークションの取引で「お買い上げありがとうございました」という手紙を入れたりした時点で信書違反となり、ゆうメールでは送れません。認められるのは、内容物のリストや無封の添え状(代金受領の文言が入っていない「〇〇カタログ在中」といった送付状)など、ごく限定的な例外に限られます。この境界線を知らないまま封筒を閉じてしまうと、郵便局の窓口で差し戻される最大の要因となります。