オフィスを見渡せば、厳しい怒号が飛ぶこともなければ、深夜までのサービス残業に追われる姿もない。居心地の良さは抜群だ。しかし、夕方17時を回ると同時に定時で帰宅する若手たちのPC画面では、密かに転職サイトの検索ページが開かれている。
ビジネスSNSのNewsPicksなどで連日交わされる議論を覗くと、かつてのような「過酷な環境からの逃避」ではなく、「ぬるま湯からの脱出」を試みる若手の告白が相次いでいることがわかる。彼らが求めるのは楽な仕事ではなく、自らの市場価値を高められる打席の数だ。過度な配慮が裏目に出て任される仕事が雑務ばかりになると、若手は「自分は期待されていないのではないか」と孤独感と焦りを募らせていく。