ハイドロプレーニング現象は、日本語では「水膜現象」とも呼ばれます。通常、タイヤはトレッド面に刻まれた溝を使って路面の水をかき出し(排水し)、ゴムとアスファルトを直接密着させることで強力なグリップ力を発揮しています。
しかし、路面の水量に対してタイヤの排水能力が追いつかなくなると、タイヤと路面の間に逃げ場を失った水がくさび状に入り込みます。その結果、時速80km以上の高速域では約1トン以上の車体が完全に水の上に浮上し、舵取りや制動といったドライバーの操作が物理的に路面へ伝わらなくなります。氷の上を滑るのと同じ状態に陥るため、わずかな傾きや横風を受けるだけでスピンモードへと移行してしまうのです。