「夫とアウターをシェアできるのでコスパが抜群」「カップルで色違いのパーカーを着回している」という肯定的な意見がファッション誌のスタイリスト座談会などで数多く紹介される一方、ネットの質問掲示板やSNSではサイズ選びに関する切実な失敗談が目立ちます。
大手通販サイトのレビュー欄や知恵袋の投稿を精査すると、「普段レディースのLを着ているのでユニセックスのLを買ったら、袖丈が指先まで隠れてしまい完全に着られている感が出た」「男性がジャストサイズを期待して買ったら、首回りが詰まりすぎていて脱ぎ着が窮屈だった」といった声が後を絶ちません。こうしたミスマッチが発生する最大の理由は、国内で流通するユニセックス衣類の約85%以上がメンズ規格の寸法をベースに作られているという業界の実情にあります。
女性がユニセックスアイテムを購入する際、最も安全な基本公式は「レディースのマイナス1サイズ(普段MならS)」です。ただし、近年主流のリラックスシルエットでは、単にサイズを下げるだけでは解決できない部位差が生じます。実店舗でフィッティングを行うスタイリストが現場で確認しているチェックポイントは、以下の3点に集約されます。
1つ目は「肩幅と袖丈のバランス」です。ユニセックスアイテムの多くは肩のラインが落ちる「ドロップショルダー」を採用していますが、肩幅の実寸が50cmを超えると、小柄な女性の場合は腕の付け根がもたつき、上半身が四角く大きく見えてしまいます。
2つ目は「着丈とお尻の隠れ具合」です。メンズのTシャツやスウェットは、男性の骨盤の狭さに合わせて裾幅がやや狭く設計されていることが多く、女性が着用するとヒップの一番高い位置で引っかかり、裾がクシャクシャと腰回りに溜まってしまう現象が起きます。着丈が70cmを超えるものは、裾をボトムスにタックインするか、サイドスリットが入っているデザインを選ぶのが鉄則です。
3つ目は「首回りの開き具合(ネックライン)」です。メンズ基準のパターンは首の太さに合わせるため、クルーネックの詰まり方がレディースよりもタイトに設定されている傾向があります。試着時に首筋に窮屈感がないか、あるいは逆に首元が浮いてしまわないかを確認することが重要です。