バドガールという呼称が一般名詞化するにつれ、その影響力は飲食業界の枠組みを軽々と飛び越えていった。2000年代以降、米国発のカジュアルレストラン「HOOTERS」が日本へ本格上陸した際も、先行して定着していたバドガールのカルチャーが下地として機能していたことは間違いない。健康的でフレンドリーな接客エンターテインメントは、日本の外食シーンにひとつの確固たるジャンルを築き上げた。
さらにその熱気は、アニメ、ゲーム、バラエティ番組といった日本のサブカルチャーへと浸透していく。特徴的なコスチュームはパロディやオマージュの対象となり、コミックマーケットなどの同人カルチャーやコスプレイベントでも定番モチーフとして定着。企業プロモーションから生まれたひとつの衣装が、日本独自のポップカルチャーと混ざり合い、独自の文脈を獲得していった稀有な例といえる。