新婚生活が始まって間もない1992年、田中さんに乳がんが発見される。ここから夫婦の19年におよぶ長い戦いが始まった。当時は病名を公表することが女優としてのキャリアに影響を及ぼしかねない時代であり、ふたりは親しい関係者にすら闘病の事実を秘匿する道を選んだ。
実業家としての多忙な日常をくり回しながら、小達氏は妻の治療のサポートや精神的なケアを一身に担った。ドラマや映画の撮影現場では一切の弱音を見せず、気品ある演技を続け込ませた田中さん。その卓越したプロ意識の舞台裏には、彼女の健康状態を細やかに気遣い、万全の環境を整え続けた夫の献身があった。