伝説の学園ドラマ『ハガネの女』を再検証!吉瀬美智子が放った覚悟を徹底追究! 読者が気になる 情報と解説を凝縮して配信します。

本作を語る上で欠かせないのが、主人公・芳賀稲子を演じた吉瀬美智子の圧倒的な存在感だ。当時、洗練されたクールな大人の女性というパブリックイメージを確立していた吉瀬にとって、35歳独身で臨時採用の元OL教師という役柄は、まさに新境地へのダイブだった。すっぴんに近いナチュラルメイクに飾り気のないパンツスーツ、感情を露わにして児童を抱きしめる泥臭い熱演は、それまでのイメージを鮮やかに裏切ってみせた。

原作である深谷かほるの女性漫画が持っていた、人間の業や弱さを抉り出す視線を、吉瀬は見事な身体性で具現化した。完璧な聖人君子ではなく、自分自身も過去のトラウマや恋愛の失敗に悩み続ける等身大の女性。だからこそ、彼女が発する「私は絶対に諦めない」という言葉には、血の通った説得力が宿っていたのである。