彼のアナウンサー人生の原点は、言うまでもなく真摯な報道番組にあった。確かなアナウンス技術と厳格なニュースの読み上げは、視聴者に絶大な信頼感を与えていた。
しかし、時代が平成へと向かう中で、彼の才能はバラエティ番組でも開花する。報道で培った規律正しさと、持ち前のユーモアセンスが絶妙に融合。真面目な顔をして絶妙なボケを繰り出し、お茶たたきで自らリアクションをとる姿は、お茶の間に新鮮な驚きを与えた。
固い報道の現場と笑いの現場。一見すれば対極にあるふたつの世界を自由に行き来できたのは、言葉に対する深い敬意を常に抱いていたからだ。崩しすぎず、かといって堅苦しくならない絶妙な言葉選びは、現在のメディア界でも稀有な才能として称賛されている。