栄光の絶頂にあった彼女の人生が大きく舵を切ったのは、1990年代半ばのことだ。昭和・平成の大棋士であり、元名人の地位にあった中原誠との不倫愛憎劇は、ワイドショーや週刊誌の格好の標的となり、日本中を騒然とさせた。
事態は単なるプライベートのスキャンダルに留まらず、棋界の権威や師弟関係、さらには組織のあり方そのものにまで波紋を広げた。連盟との対立が深まる中、彼女は突然の渡米や失踪騒動を起こし、最終的にはプロ棋士の立場を去る決断を下す。沈黙を守り続けた当事者たちの裏で、メディアの狂騒曲は過熱を極めたが、その渦中で彼女自身が抱えていた孤独と苦悩は計り知れない。