1990年代から2000年代初頭にかけて、日本のAV業界は空前のバブル期を迎えていた。その中心で「技の加藤鷹」と対をなす「力のチョコボール向井」として君臨したのが彼だった。鍛え上げられた褐色の肉体と圧倒的な持久力、そして画面越しにも伝わる規格外の熱量は、それまでの男優像を根本から覆した。
村西とおるが切り拓いた黎明期の混沌を受け継ぎつつ、産業として巨大化していく過渡期において、向井の存在感は唯一無二だった。何千本もの作品に出演し、過酷なスケジュールを平然とこなすタフネスは業界内外で神話化された。単なる出演者の枠を超え、バラエティ番組や雑誌メディアにも頻繁に登場し、お茶の間に強烈なインパクトを残した。