問題の放送当日、スタジオには静かな緊張感が漂っていた。コーナーが始まり、うたのおにいさん・うたのおねえさんが順調に歌を口ずさみながらボードに向かう。しかし、はいだしょうこがクレヨンを走らせるにつれ、描かれていく物体の方向性が怪しくなり始めた。
当時放映されていた人形劇『ぐ〜チョコランタン』のメインキャラクターであるスプーは、愛くるしい丸顔と黄色い体が特徴だ。しかし画伯の手によってボード上に現れたのは、まるで太古の未確認生物かのようなクリーチャーだった。絵描き歌が終わりに近づくにつれて完成度が上がるどころか、不気味さが増していく展開に、お茶の間の大人は腹を抱えて爆笑し、小さな子供たちは言葉を失った。これはまさに、従来の幼児番組の枠を大きく踏み外した前代未聞の放送事故であった。