広島での熱狂は、既存の音楽ビジネスのあり方をも劇的に変えた。独立系インディーズレーベルの草分けであるエレックレコードは、吉田拓郎らの才能をいち早く見出し、商業主義にとらわれない自由な制作環境を提供した。アーティスト自身が作詞・作曲・演奏を手掛けるスタイルの普及は、当時の音楽産業にとってまさに天変地異のようなショックであった。
続いてメジャー大手のCBS・ソニーが彼らの持つ爆発的なポテンシャルに着目。最先端のスタジオワークと洗練されたマーケティングを組み合わることで、マイナーなサブカルチャーだったフォークやロックを、日本全国の老若男女が愛聴するメインストリームへと押し上げていった。インディペンデント精神とメジャーの資本力が噛み合ったこの時代こそ、現代に続く日本独自の音楽文化が確立された黄金期だったのだ。