高度経済成長の絶頂期、未来の青写真と輝かしいハイテクノロジーを喧伝するために企画された日本万国博覧会(大阪万博)。建築家・丹下健三が手がけた整然たる「大屋根」を、野蛮な巨体で豪快に突き破って出現したのが『太陽の塔』だった。
当時の進歩主義者たちは、その原始的で不気味な造形に眉をひそめた。だが、太郎の狙いこそそこに注がれていた。輝かしい未来賛歌の真ん中に、古代の呪術的な異物を叩きつけること。科学技術がどれほど進化しようとも、人間の根底に眠るドロドロとした情念や生のエネルギーは変わらないという強烈なアンチテーゼである。過去・現在・未来を司る三つの顔(そして地下に眠る地底の太陽)は、半世紀を経た今も大阪の空の下で不協和音を響かせ、合理性に囚われた社会へ無言の問いを突きつけている。