デビュー初期の映像や写真と比較した際、歯並びや口元の印象が劇的に洗練されている芸能人は珍しくありません。いわゆる「芸能人の歯並びビフォーアフター」の多くは、2年〜3年の歳月を要するワイヤー矯正やマウスピース矯正ではなく、わずか数週間から数ヶ月で見た目をガラリと変貌させるセラミック矯正(クイック矯正)によってもたらされています。
多忙を極めるタレントやブレイク直前のモデルにとって、長期のワイヤー装着は仕事上の制約になります。ドラマのクランクインや大型オーディションを前に、「今すぐ口元を美しく整えたい」という切実な要求に応えるのが、健康な歯を削ってセラミックの冠(クラウン)を被せる手法です。
東京・港区(南青山、六本木)や銀座など、審美歯科の芸能人御用達クリニックにおける治療費用の実態は極めて高額です。使用するセラミック素材のグレード(オールセラミック、ジルコニアセラミックなど)によって差はあるものの、歯1本あたりの費用相場は約15万円〜25万円。笑ったときに見える前歯上下12本から16本をフルリニューアルした場合、総額費用は200万円〜400万円超に跳ね上がります。骨格調整や仮歯代、精密診査費を含めると500万円を超えるケースも決して珍しくありません。
芸能関係者の証言によると、事務所が先行投資として治療費を全額あるいは一部立替払いし、タレントの将来のギャランティから天引き精算するシステムも長年慣例として存在してきました。それほどまでに、整った口元は芸能界における強力な「投資対象」として扱われているのが実情です。