結婚式や関連する宴の中で響き渡ったサウンドには、彼女のデビュー作である『ひこうき雲』から脈々と流れる音楽的遺伝子が宿っていた。少女時代の鋭い感性と死生観が織り込まれた初期の名曲群は、パートナーとの出会いによって、より豊かなポップネスへと昇華されていく。
式で交わされた音楽的な対話、そして二人が選んだメロディの数々は、参列した同業者たちの耳を唸らせた。洗練されたコードワークとクラシックの要素を融合させたサウンドメイクは、当時の歌謡界に大きな衝撃を与え、後の日本の音楽制作のあり方を根本から塗り替えることになった。