近年、ネット掲示板やSNS上で「月星座は才能がない部分」「月星座のテーマを目指すと人生が破滅する」といった、いわゆる「月星座=欠損説」を目にしてショックを受けるユーザーが後を絶ちません。
この言説は、占星術家のマドモアゼル・愛氏が提唱した独自の見解に端を発し、YouTubeや書籍を通じて急速に広まったものです。この理論では「月は自ら光を発しない偽りの天体であり、7歳児程度の能力しかないため、大人が月星座の能力を使おうとすると失敗する(=欠損)」と主張されています。
取材を進めると、この議論に対して伝統的・現代的な占星術の専門家たちからは明確な見解が示されています。
結論から言えば、「月を完全に欠損として切り捨てるのは極論であり、危険な自己否定を生む」というのがアカデミックな西洋占星術の主流派の立場です。歴史的な占星術の文献において、月は「身体」「衣食住」「生命力」「基盤」を支える最も重要な天体のひとつと位置付けられてきました。
ただし、この「欠損説」が多くの人に刺さった背景には、心理学的な理由があります。「月星座の性質を社会的な成功やプロフェッショナルなスキルとして無理に発揮しようとして苦しんでいた人」にとって、「それは元々あなたが頑張る場所ではない」と告げられたことで、肩の荷が下りるという解放感があったためです。
現代の占星術セラピーにおいては、月は「社会で戦う武器ではなく、傷ついた自分を休ませる安全地帯」と捉えるのが最もバランスの取れた解釈とされています。月星座の示す分野でプロの頂点を目指そうとするのではなく、自分自身を優しくいたわるための処方箋として使うことが極めて重要です。