固茹で卵を切った際、黄身の表面が緑がかった黒色に変色し、独特の硫黄臭が気になった経験はないでしょうか。この黒ずみの正体は、卵白に含まれる「硫黄」と卵黄に含まれる「鉄分」が熱によって結合して生じる「硫化第一鉄」という化合物です。
この現象が起きる主な原因は、13分以上の過度な加熱と、茹で上がった後に余熱で放置することにあります。卵の内部温度が一定以上高い状態が長く続くと、化学反応が一気に促進されて変色が進んでしまいます。
黒ずみを防ぐ決定打となるのが、「茹で上がり直後の氷水急冷」です。茹で時間を12分で止めたら、すぐに冷水や氷水に取って中心まで一気に温度を下げます。急冷によって硫化水素が卵の外側へ逃げやすくなり、硫化第一鉄の生成を物理的に遮断できるため、鮮やかな黄色の断面を保つことができます。