女優としての評価を決定づけた金字塔と言えるのが、浅野いにお原作・竹中直人監督の映画『零落』だ。没落していく漫画家の鬱屈とした日常を描いた本作で、彼女は風俗嬢・ちふゆを熱演。デカダンな空気感の中に漂う色香と、傷ついた男を包み込む深い母性を体当たりで演じきった。この圧倒的な演技が絶賛され、第66回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞したことは記憶に新しい。
かと思えば、話題作のドラマ『おいハンサム!!』では一転、ユーモアと温かみに溢れる母親役を快演。クスッと笑わせる日常演技からシリアスな情感まで、振れ幅の広さと圧倒的な存在感で作品の強度を底上げするバイプレイヤーとしての地位を完全に確立した。