激しい咆哮の果てに待っていたのは、冷徹な法の手続きだった。元妻側に対する名誉毀損や凶行未遂の容疑で逮捕され、東京地方裁判所の法廷に立たされることとなった。
かつて扇子を握りしめ、長考に沈んでいた勝負師の姿はそこにはない。証言台に立つ橋本は憔悴しきった面持ちで、検察側の厳しい追及に言葉を詰まらせた。下された判決は厳格であり、法秩序を揺るがした代償の重さを如実に物語っていた。
裁判を通じて浮き彫りになったのは、自らの正義に囚われ、現実との接点を失ってしまった男の深い孤独だった。知略を尽くして局面を打開してきたはずの頭脳が、現実の迷路の中では完全に袋小路に迷い込んでいた。