大河ドラマ『鎌倉殿の13人』以降、頼朝と妻たちの関係性は従来の通説を超えた新たな解釈が広がっています。特に政子を単なる「恐妻」としてではなく、頼朝の政治的パートナーとして捉える視点が定着しました。
中世の婚姻関係において、妻の実家である「外戚」が果たす役割は絶対的でした。頼朝にとって北条家は、伊豆での挙兵を成功させ、関東の荒武者たちをまとめ上げるために不可欠な同盟勢力でした。政子が他の女性たちを激しく排除できたのは、頼朝の浮気心に対する女性としての怒り以上に、北条家の血を引く男子以外に将軍職を継がせないという政治的防衛線でもあったのです。
頼朝もまた、政子の気性の激しさに手を焼きながらも、最終的には政子を「唯一無二の正室」として重用し続けました。二人の関係は、愛憎を超えた政治共同体として強固に結ばれていたといえます。