甲子園のスターとして鳴り物入りでプロ入りしたアスリートが、なぜ泥棒行為にまで手を染めてしまったのか。公判や関係者の証言から浮かび上がったのは、見栄と金銭感覚の麻痺が招いた深刻な借金地獄でした。
プロ野球選手としての見栄えを保つため、柿澤は高額な外車を購入し、毎月の自動車ローンや維持費に追われていました。さらに、後輩への過度な飲食の奢りや夜の街での豪遊、ギャンブルなどが重なり、二軍暮らしの年俸(当時約650万円)では到底賄えない支出が常態化していたとされます。
不足分を補うために消費者金融や知人からの借入を重ねた結果、毎月の返済額は数十万円規模に膨張。返済期日に追い詰められ、誰にも相談できない極限状態に陥った末に、目の前にあったチームメイトの貴重な道具を「金札」に見立ててしまうという決定的な過ちを犯しました。