遠近両用の口コミにおいて、最もネガティブな評価が集中しやすい領域が「乱視を抱えているユーザー」の声です。遠近両用コンタクトの乱視併用に対するネットの反応を追うと、「視界がダブって気持ち悪くなる」「どのメーカーを試しても焦点が合わない」といった悲痛な叫びが散見されます。
なぜ「乱視+遠近両用」はこれほどまでに難易度が高いのでしょうか。理由は、コンタクトレンズの「回転」にあります。乱視用レンズは特定の角度(軸度)で角膜上に静止していなければ乱視を矯正できません。そのため、レンズの下部に重みを持たせるなどの特殊なスタビライザー構造を採用しています。しかし、遠近両用レンズは瞳の中心に対して同心円状に緻密な度数勾配が配置されているため、瞬きによってレンズがわずか数度傾くだけで、乱視のブレと遠近のボケが複雑に干渉し合い、視界が破綻してしまうのです。
2026年現在では、各社から「トーリック・マルチフォーカル(乱視用遠近両用)」の最新モデルが投入され、軸の安定性は飛躍的に向上しています。それでも、乱視度数が強い場合(CYL -1.75以上)や角膜形状が非対称な場合は、レンズの安定に限界があります。「軽度の乱視ならあえて遠近両用単独で合わせる」「車の運転や夜間だけはコンタクトの上から乱視用メガネを重ねる」といったハイブリッドな運用が、現場の視能訓練士からも現実的な最適解として推奨されています。