近代的な紙の文化に対し、デジタル領域では文字数の概念そのものが変容している。「カクヨム」や「小説家になろう」に代表されるWeb小説投稿プラットフォームでは、スクロール表示に最適化された改行多めの執筆スタイルが主流だ。画面上の見やすさを重視する結果、1行の短文化と頻繁な改行が好まれる。
だが、こうしたWeb発の作品が書籍化され、出版業界の流通に乗る際には、再び400字換算の「枚数」という伝統的尺度が立ちはだかる。Web上で50万文字と表示されていても、文庫本化した際のページ数は改行の多さによって激変する。紙メディアとWebメディアの間で生じる文字数認識のギャップを理解することは、現代のクリエイターにとって必須の素養となっている。