現地取材をスタートさせてまず驚かされるのは、街全体を覆う一種の熱気と緊迫感だ。巨大なインフラ施設がそびえ立つ一方で、海岸沿いには次々と新しいカフェやマリンアクティビティの拠点が誕生している。地域経済の構造変化は目覚ましく、伝統的な産業構造を守るべきか、新たな外部資本を取り入れて大胆な舵切りを行うべきか、市民のあいだでも活発な意見交換が交わされていた。
長年培われてきたコミュニティの結束力は力強い。しかし同時に、若年層の流出や少子高齢化といった全国共通の難題も容赦なく押し寄せる。現地で耳にしたのは「これまでのやり方では街が持たない」という切実な悲鳴であり、同時に「だからこそ今、変革が必要だ」という力強い決意の声でもあった。まさに今、街は将来の生存戦略をかけた重大な分岐点に立っている。