視聴者の間で最も大きな関心事となっていたのが、「なぜあれほど人気のあった彼女が突然メディアから姿を消したのか」という点です。番組卒業の公式アナウンス以降、単発のバラエティ番組や教養番組へのゲスト出演すら激減した理由には、医学部高学年特有の極めて過酷な教育環境がありました。
医学部では、4年次末に課される共用試験(CBT・OSCE)を突破すると、5年次から臨床実習(クリニカル・クラークシップ)が始まります。内科、外科、小児科、産婦人科、救急科など、大学病院および関連病院の各病棟を週単位でローテーションし、朝の回診から夕方のカンファレンス、夜間当直の見学まで拘束時間は膨大です。カルテの読み込みや日々の実習レポート提出に追われ、一般的な大学生のような自由時間は皆無に等しいのが実情です。
当時の特番や卒業時のコメントでも示唆されていたように、テレビ収録と病棟実習の両立は物理的・体力的に不可能です。医療従事者としてのプロフェッショナリズムを重んじる東京大学医学部の厳しい指導方針のもと、「中途半端な姿勢で患者の前に立つことは許されない」という強い倫理観が、早期のメディア活動休止という決断を後押ししました。タレント業への未練をスパッと断ち切る潔さこそ、彼女が多くのファンから敬意を集め続ける理由でもあります。