この未曾有の危機に対し、読売グループの絶対的権力者であった「ナベツネ」こと渡辺恒雄氏の動向に全世間の注目が集まった。読売新聞グループ本社最高顧問であり、球団の最高実力者であった同氏の判断が、監督の進退および事件の幕引きを左右したからだ。
当時、渡辺恒雄氏は原氏を擁護する立場を取り、あくまで恐喝の「被害者」であることを強調。監督続投という強硬な姿勢を貫いた。しかし、この強引とも言える決定は、ファンや他球団、さらには社会一般からの激しい反発を招く結果となる。球団トップの政治的裁定が、かえって事態の収束を遅らせ、読売ジャイアンツというブランド価値に深い傷を負わせたことは否めない。