度重なるトラブルに耐えかね、苦渋の決断を下す寺社が増加している。その場での直書きを全面的に取りやめ、あらかじめ用意した紙を渡す「書き置き」のみに切り替える措置や、悪質な人物に対する参拝拒否の通告、さらには授与自体を長期間停止する例も珍しくなくなった。
本来、営利を目的としない宗教法人にとって、警備員の配置や防犯カメラの増設といった安全対策費の増大は経営を圧迫する重荷だ。全国の神社を包括する神社本庁や、寺院が加盟する全日本仏教会の内部でも、授与品のあり方や参拝者のモラル向上に向けた啓発運動が急速に議論されている。信仰の場を守るための防衛策は、今や一刻の猶予もない課題となっている。