リモートワークの完全な定着に伴い、都心から葉山への移住熱は衰えるどころか、より洗練された形で持続している。古民家や海を望む高台の物件は市場に出るや否や引き合いがあり、地域の不動産業界は活況を呈し続けている。移住者の顔ぶれもIT起業家からデザイナー、子育て世代の共働き夫婦まで実に多様だ。
急速な人口流入と土地開発の一方で、景観保護と伝統的なコミュニティの維持という課題も浮上している。葉山町役場では、美しい海岸環境や緑豊かな自然景観を守るための条例運用を強化しつつ、待機児童ゼロの継続や子育て支援策の充実に注力している。単なるベッドタウン化を拒み、独自のアイデンティティを守ろうとする行政と住民の協働が、この街のブランド力を揺るぎないものにしている。