当時の演劇界において、彼女の人気は従来の「舞台女優」の概念を根底から覆すものだった。「舞台界のアイドル」と称されたその容姿は、ポスターが一枚貼り出されるだけで盗難騒ぎが起きるほど。小劇場という枠組みを超えて、彼女目当てに劇場へ足を運ぶファンが急増した。
しかし、彼女の魅力は単なる見た目の可愛らしさだけにとどまらなかった。過酷な舞台演劇業界の現場で鍛え上げられた度胸と、舞台上で爆発する圧倒的なコメディセンス。どれほど汗をかき、激しく動いても失われない透明感。そのギャップこそが、当時の若者文化を巻き込んだ熱狂的ブームの真因だったと言える。