朝4時半。那覇の泊魚市場には、水揚げされたばかりの鮮魚が所狭しと並ぶ。セリ人の鋭い掛け声が飛び交う中、鋭い眼光で魚の腹とエラを見極める男たちがいる。運営元である株式会社魚まるの仕入れ部隊だ。
一般的な飲食店が魚を仕入れる場合、市場から仲卸、卸業者、そして店舗へと幾重ものマージンが上乗せされる。だがここは違う。自らが鮮魚仲卸人としての鑑札を持ち、目利きした魚をセリ落とし、自社便でそのまま店舗へと運び込む。中間流通を完全に中抜きするダイレクトルート。水産業と飲食業を直結させた垂直統合モデルこそが、あの度肝を抜く価格設定を支える最大のエンジンだ。
「普通の店なら高級魚としてチビチビ出す魚も、うちなら獲れたてを豪快に盛れる。仲卸だからこそ、市場で一番状態が良い魚を一番安く回せるんだ」。仕入れ担当者はそう語り、引き締まったキハダマグロを軽々と担ぎ上げた。